「月末に取引先からの入金があるけどすぐにでも資金が手元に欲しい!」
こんなことを思ったことありませんか?
売掛金を簡単に素早く現金化する方法がファクタリングになります。最短即日〜数日で現金化することができ、上手く活用すれば資金繰りを改善できます。
本記事ではファクタリングを知らない方や初心者向けに、仕組みやメリット・デメリットについてご紹介していきます。
なお、ファクタリング利用の流れや必要書類などを知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
<目次>
- ファクタリングとは?
- ファクタリングの仕組みを図解!
- 5つのメリット
- 3つのデメリット
- その他リスクや注意すべき点について
- まとめ
● ファクタリングとは?
ファクタリングとは、売掛債権の売却(譲渡)による資金調達方法です。決済期日前に専門業者や金融業者に買い取ってもらい「現金化」してもらいます。
企業間の取引では、商品やサービスを提供時には代金支払いが行われず、後から代金の回収をする「信用取引(掛取引)」が一般的です。この”代金の回収”する権利を売掛債権と言い、通常入金されるまでに1~2ヶ月程度、長くても1年以内のタイムラグが生じます。
この間手元の資金は増えませんが、企業では営業費用や社員給与などさまざまな支払いが生じます。こうなると中小企業の場合、売上が順調に上がり損益計算書上は黒字でも、運転資金が不足していて事業運営が苦しくなる可能性もあります。実際にこの状態に陥り倒産(黒字倒産)してしまう企業もあります。
数営業日〜数週間以内に銀行から低金利で資金調達できれば良いですが、中小企業の場合であれば融資審査を通過するのは至難なものです。このようなケースにファクタリングが有効となります。
また、掛取引では売掛金(売掛債権)の入金が遅れたり貸倒れになったりする可能性もあります。そのためファクタリングを利用することで、倒産の恐れがある売掛先との取引などに、事前に保険をかけたり未回収の売掛金を売却して現金化できるのも有効です。
● ファクタリングの仕組みを図解!
次に、実際にファクタリングの仕組みを図で確認しましょう。
ファクタリングには契約に於ける売掛先(取引先)関与の有無によって2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2種類存在します。。まずは2社間ファクタリングについて見ていきましょう。
2社間ファクタリング
<図解>
2社間ファクタリングの大きな流れは以下となります。
- 売掛先と取引が成立し、売掛債権が発生
- ファクタリング会社へ申込み、
売掛元(あなた)とファクタリング会社間でファクタリング契約を締結 - ファクタリング会社から売掛債権の買取金額が入金
- 売掛先から決済期日に売掛金が入金(売掛金の回収)
- 回収した売掛金をファクタリング会社に支払い
2社間ファクタリングでは、売掛先が契約に関与しないため素早く売掛債権を現金化できます。また売掛債権を譲渡することも知られないため、売掛先との取引関係に悪影響を与えずに済むのがメリットです。一方で、ファクタリング会社に支払う手数料が高くなる傾向があります。
3社間ファクタリング
<図解>
3社間ファクタリングの大きな流れは以下になります。
- 売掛先と取引が成立し、売掛債権が発生
- ファクタリング会社へ申込み、
売掛元(あなた)とファクタリング会社間でファクタリング契約を締結 - 売掛元と売掛先でファクタリング契約を締結
- ファクタリング会社から売掛債権の買取金額が入金
- 売掛先からファクタリング会社に決済期日に売掛金を支払い
2社間ファクタリングとの違いは、「契約時に売掛先含む3者合意が必要になること」、「ファクタリング会社への支払いは売掛先から直接行うこと」です。
2社間ファクタリングより手数料が安く済みますが、売掛先含む契約となるため契約の段取りには時間が掛かります。とりわけ、売掛先には事前に相談する必要もあります。その際には債権譲渡に関する内諾を得ること、契約の流れや振込手続きに関して説明しておくことが大切になります。
また、売掛先に資金繰りが苦しいという印象を与える可能性があることも留意しておくと良いでしょう。
より具体的なファクタリング利用の流れや必要書類などを知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
● 5つのメリット
ファクタリングの主なメリットは下記5つに整理されます。
- 売掛債権を早期に現金化可能
- 取引先に知られない ※2社間ファクタリングのみ
- 信用情報への影響がない
- 自社の業績に関わらず利用可能
- 担保や保証人なしで利用可能
1. 売掛債権を早期に現金化可能
やはりファクタリングの一番のメリットは資金調達のスピードです。
ファクタリング会社や契約内容によりますが、最短即日〜数営業日で資金調達が可能です。銀行融資などの場合1週間以上要することも多く、ファクタリングは急な資金繰り対応に向いています。
なお、即日資金調達が必要な場合、2社間ファクタリングでの契約がほぼ確実に必須となります。
2. 取引先に知られない
2社間ファクタリングの場合に限りますが、売掛債権の譲渡を取引先に知られることがないため、取引先に知られたくない場合でも問題なく利用できます。
3. 信用情報への影響がない
ファクタリングは銀行融資やカードローンなどと異なり、各金融機関が共有する「信用情報機関」に記録されません。支払いの滞納を起こさないことはもちろんですが、万が一発生した場合には金融事故情報として記録されてしまいます。
そのため、今後の融資を見据えて取引銀行にファクタリング利用状況を知られない点は1つのメリットでもあります。
4. 自社の業績に関わらず利用可能
ファクタリングの審査は、「自社の信用度」ではなく「取引先の信用度(売掛金が確実に入金されるかどうか)」が基準となるため、自社の業績に関わらず利用できます。そのため、銀行融資に比べてハードルが低く審査手続きも簡単です。極端な話、赤字や債務超過などの場合でもファクタリングであれば利用できる可能もあるでしょう。
5. 担保や保証人なしで利用可能
ファクタリングは売掛債権を譲渡する取引のため融資とは異なります。そのため担保や保証人を必要としません。
● 3つのデメリット
ファクタリングに於けるデメリットは下記3つになります。
- 手数料が高い
- 取引先との関係が悪化する可能性あり
- 返済を分割できない
1. 手数料が高い
ファクタリングは銀行融資やビジネスローンのような利息は発生しませんが、手数料が発生します。
手数料の相場として、2社間ファクタリングでは10%~30%、3社間ファクタリングでは2%~10%程度でしょう。銀行融資などの金利に比べて高額となります。
2. 取引先との関係が悪化する可能性あり
3社間ファクタリングの場合、取引先にファクタリングの利用実績を知られることになります。そのため、資金繰りに困っているという印象を与え、今後の取引について見直される可能性も出てきます。
3. 返済を分割できない
分割返済できないのもファクタリングのデメリットの1つです。
理由としては、分割払いにすると金利が発生し融資と見なされてしまうため。ファクタリング会社は貸金業登録を受けておらず、融資を行ってしまうとファクタリング会社側が違法となります。
そもそもファクタリングは売掛債権の譲渡です。売掛金の所有権はファクタリング会社に移動しているため売掛金をまとめて渡すことが必要になります。
● その他リスクや注意すべき点について
ファクタリングは上手く活用することで資金繰りを改善できますが、日本ではまだまだ馴染みのない領域です。
そんな中、近年ではファクタリング会社を名乗る無許可貸金業者が逮捕されるケースもあり、いわゆるヤミ金業者や詐欺グループなどが多いのも事実です。
ファクタリングと謳い債権を担保として法外な金利でお金を貸し付けてくるケース、分割払いを勧めてくるケースなどが存在します。
このような業者には十分注意が必要です。悪徳業者を回避するためにも、事前にファクタリング会社の実績や評判などを確認して慎重にファクタリング会社を選ぶようにしましょう。
またファクタリングの利用を検討される方は資金繰りに難航していることかと思いますが、可能な限りファクタリングで即日資金調達という事態にならないようにしたいものです。
そのためファクタリング以外の融資なども定期的に活用しつつ、急な資金が必要となっても対応できるように、余裕を持った経営計画や資金繰り計画を立てることが一番重要です。
資金調達メソッドではファクタリングだけでなく、資金繰りに役立つ情報を順次発信していきますので気になる方はその他の記事もチェックしてみてください。
● まとめ
いかがでしたでしょうか。
本記事ではファクタリングの仕組みやメリット・デメリットについてご紹介しました。
より具体的なファクタリング利用の流れや必要書類などを知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
なお、不明点やその他融資の相談についてはこちらにて承っておりますので気軽にお問い合わせください。